テレワークの普及に伴い、多様な働き方ができるようになっています。コロナの影響でオフィス出社型からテレワークにシフトした会社も多く、また、サテライトオフィスで働く従業員も増えています。

しかし、テレワークは柔軟な働き方が選択できる一方、健康上の課題もあります。健康経営の視点からも、人事担当者が従業員の健康管理に配慮して企業の生産性向上や社内エンゲージメントの向上に繋げることも重要です。

そこで、本記事では、テレワークによる健康上の課題とその解決策を事例と共にご紹介します。

■目次

1. テレワークにおける健康課題

テレワークは、場所や時間を有効活用できる働き方として個人の自由度が高まるメリットがあります。例えば、育児や介護と仕事の両立ができることや、通勤時間を短縮して仕事の効率を上げることもできます。また、企業側にとっては、業務内容に合わせてテレワークを導入して効果の上がったケースもあります。

テレワークは、ワーク・ライフ・バランスの向上に効果的で、多様な人材が能力を発揮できる手段としてメリットのある働き方のひとつです。

こういったメリットがある一方で、テレワークの導入によって引き起こされる健康上の課題がいくつかあります。

  • 課題1 コミュニケーション不足によるうつ病のリスク
  • 課題2 長時間労働になりやすい
  • 課題3 運動不足による生活習慣病リスクの増加

以下に課題について細かく解説します。

課題1 コミュニケーション不足によるうつ病のリスク

テレワークは、ひとりの時間が増えるため、孤独を感じてうつ病を引き起こすケースもあります。出勤や会社の人間関係から解放されたリラックス効果はありますが、人との関わりがなくなり、非活動的になって気が落ち込みやすくなります。

例えば、オンライン上で業務内容が共有できなかったり確認が取れないとストレスに繋がるデメリットもあります。

こういった業務をすすめる上でのコミュニケーション不足が続くと、うつ病や心の問題が現れる傾向があり、近年、テレワークの普及でうつ病が増えてきています。

課題2 長時間労働になりやすい

テレワークの課題は、長時間労働になりやすいことと、勤怠管理が難しいことがあげられます。仕事と生活のメリハリがなくなって、自己管理できないと仕事ばかり集中してしまう人もいます。通勤時間、就業時間、休憩時間などを自分でコントロールできないことで生活のリズムが乱れがちです。

自宅で仕事をする方は、家族と一緒に生活しながら仕事もしなければならないので、気持ちの切り替えが難しくなります。長時間ダラダラと仕事を続けるような状況になってしまうと体調不良や過労死のリスクも高まります。

課題3 運動不足による生活習慣病リスクの増加

テレワークになると、通勤で歩いたり駅の階段を上り下りすることがなく、パソコンの前に座っていることが多くなり運動不足になりがちです。また、長時間座っていると筋肉の代謝や血行が低下して、さまざまな健康問題が生じる可能性があります。

オフィス出社であれば、通勤やオフィス内で移動してからだを動かすこともありますが、在宅の場合は、運動量が極端に減ります。運動量の低下は、筋肉の衰えや体重の増加、さらに食生活の乱れから生活習慣病のリスクが高まります。

2. テレワークによる課題の解決事例

テレワーク導入における課題への対策を考えることは、働き方の柔軟性を高めながらも、従業員の健康と生産性を保つ上で非常に重要です。

ここでは、テレワークによる健康上の課題に対する解決事例について解説します。

解決策1 コミュニケーション不足

社内のコミュニケーション不足を解消するためには、社内サークルや勉強会などの「社内コミュニティ」を充実させることや、社内で趣味から交流できる場を設けると良いでしょう。仕事抜きでも有効な関係を築くためには、同じ趣味や楽しみが共有できると従業員どうしの結束が強まります。

例えば、社員旅行や社内運動会、ランチ会や懇親会など、社外で従業員どうしが交流できる場に参加できると信頼関係も高まり、いったん仕事に就いたときに従業員どうしが連携しやすくなります。

信頼関係を築くことができれば、テレワークであっても情報共有や意見交換ができるようになり、健康経営の目的も達成することができるようになります。

コミュニケーション不足によるストレスは、円滑な人間関係によっても改善していくこともできます。

解決策2 長時間労働

自己管理がしにくいテレワークでは、勤怠管理を徹底することをおすすめします。仕事と生活の切り替えが苦手な従業員にとっても、勤怠管理システムを導入することで、オンラインで会社が勤怠情報を一元管理することができます。

打刻や休暇状況をワンクリックで確認できたり、アラート機能で抜け漏れを防止できたり、労働時間の超過や有給休暇の残数管理など、出社しなくても会社がリアルタイムに従業員の勤怠管理をすることができます。

また、企業が時間外や休日、深夜のメール送信を自粛を要請することは、テレワークの長時間労働を防ぐ方法としても効果的です。

解決策3 運動不足

テレワークによる運動不足解消のために、まずは食事療法やウォーキングなどセルフケアは重要です。テレワークの休憩時間に短時間のウォーキングをしたり、パソコン作業の疲れをストレッチでリラックスする等、気軽にできる運動を実行できると健康管理に役立ちます。

但し、セルフケアのみでは意思の弱い人にとって長続きしないこともあり、効果が続かないことがあります。そのため、会社から健康グッズを配布したり、健康にまつわる情報発信をするサービスを導入したりする企業事例があります。

また、朝礼やお昼休憩などの時間を決めて、オンラインでの簡単なフィットネスレッスンを全社もしくは部署単位で開催することにより、課題1のコミュニケーション不足の解決にも役立ちます。

適度な運動を取り入れることで、メンタルヘルスにも役立ち、テレワークによる生産性の向上と従業員のモチベーション向上にも繋がります。

3. まとめ

テレワークを導入する際は、企業が従業員の健康管理に配慮して、コミュニケーション不足や長時間労働、運動不足等による健康リスクを抑える対策を考える必要があります。

健康経営の取り組みとして、従業員どうしの交流を深める場を設けたり、勤怠管理システムを導入したり、健康グッズを配布したりすることで、従業員の健康管理とメンタルヘルスの向上に役立てることができます。

従業員の体調不良による休職や離職リスクを抑えるためにも、健康経営を導入して生産性の向上を目指しましょう。

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